進化生物学者の岡ノ谷一夫氏の本にコミュニケーションの定義が挙げられていました。
「送り手から受け手への信号の伝達がされ、受け手の反応によって、長期的には送り手の利益を得るような相互作用」
です。
コミュニケーションというのは、送り手と受け手がつながることですが、その根底に、送り手の利益がなければ、成立しないということが、意外な発見でした。
それによると、無生物が送り手となるコミュニケーションは成立しない、例(太陽→人間)けれども、人間→太陽はコミュニケーションが成立するということです。
しかし、人間相手の場合、普通長期的な互恵関係がなければ、コミュニケーションは持続できなく、一人で生きていくことができない人間は、コミュニケーションによる相互関係によって集団で暮らしていく生き物なのだと、改めて感じました。
贈与という、受け手→送り手の利益があるように思える行為の裏にも、贈与によって相互関係を長期的に持続するという送り手の利益が隠されているということも、納得しました。