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作る前に壊す

 福岡伸一氏の著作を読み返しているのですが、氏のグランドセオリーである「動的平衡」のシステムのモデルの図が、頭について離れなくなrています(笑)。
 それは、動的平衡状態の機動力であるエントロピーを、重力に例え、1/3欠けた円環が、坂道に乗っかっている図で、円環の欠けた部分で、坂道との接点を壊す側、反対の開いている部分を作る側にみたてたものです。
 円環の壊すと作るの平衡状態になった時、つまり、動的平衡にある状態では、数学的力学的に、円環は、坂道を逆にわずかながら上ることができるようで、それは、壊す方が、作るよりも、わずかの時間先行する瞬間だけに成り立つ、動的平衡状態で、福岡氏は、これが生命が生み出される瞬間ではないかと捉えています。
 何事も、それが生み出される前には、先行して、壊さなければならない。
 細胞レベルでは、「壊す」はオートファジーなど、多くのシステムがあるようですが、身体レベルでいうと、それは排泄に相当するのではないか。
 現在主流の医療や栄養学の考え方は、身体に何らかの欠如があり、それをまず補うことによって、正常に近づけるというものですが、本来の身体の動的平衡システムは、まず、「出す」、何らかの「壊す」を先に施し、そして、摂る、補うの順番が、健全な平衡状態を保つ秘訣ではないか?
 東洋医学では、身体を固定したリジットなものとして捉えず、太極図が示すように、陰陽のダイナミックな変換による動的平衡状態にある現象として捉えます。
 「出す」こと、「壊す」ことを、まず先行する。
 包括的な健康を手に入れるための秘訣ではないかと、考えています。