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無理しない

  針貝有佳著「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果をだせるのか」を読んで、デンマーク人の余裕のある暮らしぶりが、決して「無理をしない」文化から醸成されたものであることを知りました。
 「無理をしない」ということは、自身の特性を知り、限界を見極め、それが集団の中で最大限に発揮できるような状態を実現すること。
 そのためには、自ら、そして周囲に理解してもらうコミュニケーションを怠らず、各々それぞれ違っていることを前提に、他者理解しあうことがデフォルトである社会を創造していこうという国民全体の合意が形成されていることが必要です。
 人間一人では生きられない。集団で暮らしていくならば、それぞれ異なる価値観や能力や特性をもった個人をうまく組みわせていく。
 一人ひとりは、能力の範囲を超えた働き方や生き方を要求されず=無理しない、
「ヒュッテ(心地よい)」人間関係を維持しながら、人生を謳歌しましょうという、まことに成熟した文化だなあと感心しました。
 それは、ヨーロッパ北の、決して肥沃ではない土地で、地続きの大国に挟まれた地政学的困難な歴史を経て形成された、民主主義社会であるということがあるのだと思います。