モンティ・ライマン著「痛み、人間のすべてにつながる」を読むと、痛みの最新の医学的見地が述べてあり、痛みは身体の侵害に対するセンサーであり、痛みを発生する源泉は、侵害、障害された身体であり、その信号が脳に送られて痛みとして感知するというのではなく、痛みはあくまで脳で「創造される」ものであり、痛みの起源は、人間の安全装置ーすなわち、身体が侵害されている客観的な現象はなくても、脳が何等かの自分が置かれている状況が危機的状況にあることを知らせる「安全装置」であるということです。
従って、客観的な身体的侵害がないにも関わらずーストレス、また、その安全装置が「過保護」な傾向があるー慢性痛の場合でも、痛みは発生します。
これによって、精神的なストレス状態に置かれている時、痛みを引き起こした直接の身体侵害が治った後にも、持続する痛みが引き起こされる理由が説明できます。
痛みを安全装置としたならば、従来の鎮痛剤や、オピオイドによる脳の麻痺ではなく、痛む人すべての包括的な人間観に立って、安心、安全な環境を提供することが、痛みを軽減することになるとライマン氏は、自身の長年の過敏性大腸炎の痛みが、催眠療法によって亡くなった体験から痛感しました。
私自身、患者さんとの治療関係から、痛みの不思議さを感じていたので、深く納得しました。