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脳に安全であることを認識させる

 モンティ・ライマン著「脳のなかの免疫、免疫のなかのこころ」を読んで、30年前から唱えられていた「精神免疫神経学」が、実証研究も進み、医療の中で取り入れられるようになってきたことを知りました。精神(脳)ー免疫(腸内細菌)ー身体は、トライアングルの関係として、ループを作り、それぞれに影響をしているという考えです。
 私自身、40歳まで、思春期の運動でいためた椎間板ヘルニアによる腰痛に悩まされ、精神的にも、わりと落ち込みやすい傾向がありましたが、ジョギングを始め、毎朝6時から1時間、17年間続けたことで、すっかり腰痛から解放され、また気分の落ち込みもなくなり、便秘もなくなり、性格も少々のことは気にしない楽観的なものに変わってしまったのを実感します。
 それがジョギングによる身体的な作用なのか、分からなかったのですが、この本を読んで、それが精神、免疫、身体のトライアングルによる相乗効果であるということが腑に落ちました。
 このトライアングルは、「脳は予測する機関」であるということが基盤になっています。脳はその持ち主である私たちが、安全な環境にあるかどうか常に予測し、それに対する誤差を行動によって調節するように指令しているというのです。
 身体に現れる不調(痛みや疲労)などは、脳が外界に対する警戒信号として身体に発生させたものであるということ。
 脳が、周囲の環境を安全なものと認識したならば、そのような不調はなくなるというものです。
 そのような考えで疾病を捉えると、脳に安全を認識させることーつまり、生活環境を整え、身体が心地よいものにすることが、治療につながるということです。
 それは、薬や手術などの即効性のある治療ではありませんが、徐々に、生活習慣や環境を脳に安全を与えるものに変えることで、慢性的な症状が緩和される可能性があるということです。