鍼灸・整体治療が、なぜ様々な身体症状に効果があるのか?
伝統治療と言われているものの作用機序は、ただ単に昔から伝わってきているから、それなりに効果があるのでは?
歴史の風雪に耐えるということにも理由があることが、科学的にも立証されつつあります。
鍼灸、整体は、鍼・手技などによって体表、つまり皮膚に、侵害刺激を与えることにより、皮膚内部の感覚器官が刺激を受け、その信号が、皮膚内にその末端がある自律神経を刺激し、それが脳の自律神経中枢部位に伝わります。
これを脳への求心作用といいます。
脳は、これらの信号から、身体内の恒常性が乱れていることを察知し、そのバランスを保つように自律神経に信号を出します。
これを脳からの遠心作用といいます。
鍼灸や整体で用いられる身体中にある「ツボ」と呼ばれる部位は、身体内部の特定の部位と結びつき、その状態が体表に現れたものであると同時に、そこを刺激することによって、上のような自律神経の求心遠心作用を喚起することによって、身体内の恒常性を維持する仕組みになっています。
西洋医学では、手術や投薬など、身体に物理的、化学的に、ダイレクトに作用することで、現在生じている症状に対して、対蹠的にダイレクトに働きかけますが、鍼灸や整体は、このように、間接的に、包括的に、身体のコンディションを整えることによって、症状にアプローチします。
鍼灸治療は、東洋の神秘!などではなく、西洋医学とアプローチの仕方が異なる(そのために、即効性では劣りますが)、れっきとした治療法であるのです。