九大の岩田誠医師によると、最新の痛みの研究で、神経痛の痛みのメカニズムが明らかになったようです。
痛みの原因となった怪我などが治癒した後にも、痛みが長引く慢性の痛みは、脳のグリア細胞(脳神経を取り囲む細胞群)のアストロサイトが、炎症を引き起こし、サイトカイン(細胞間の情報として細胞が産出する様々な物質)の発生を生み出して、持続する痛みを引き起こしているようです。
また、痛みは、情動を引き起こす扁桃体を興奮させ、それに近接する海馬の働きを活発にさせ、痛みを強く記憶します。
それによって、現在痛みを引き起こす状態でないにも関わらず、いつまでも痛みを記憶しつづけてしまうのです。
つまり、痛みは、脳内で作り出される幻想です。(その証拠に麻酔薬で意識をなくすと痛みはなくなります)。
現在、従来の患部に働きかける抗炎症剤で痛みをとるだけでなく、長引く慢性痛には、脳の炎症を止める薬が開発され、投与されるようになっているようです。
精神的な要因が、痛みに大きく関与しているとすると、私たちの痛みに向き合う精神状態が、痛みをコントロールする際に、重要な働きをしているとも感じました。
痛みを軽減する精神状態とは、安心と心地よい身体接触だそうで、社会的な動物であるヒトは、痛みを感じて命の危機を感じている時に、他者と触れ合い、守られていることに、安心と心地よさを感じられるようになっているのだと思いました。