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免疫と鍼灸

 鍼灸治療が、なぜ免疫の機能を高めるかは、「精神神経免疫学」という新しい学際的な分野の成果によって証明されました。
 精神状態と自律神経と免疫機能の連関があるという、これまで、東洋医学では、こころと身体は一体化したもので、心の作用は身体に、身体の変化は心に作用するとし、臓器には、それぞれ心の作用に対応する「魂(こん)」が宿っていると捉えて、治療体系も形作られてきました。
 身体表面に施す、針や灸の侵害刺激が、経絡(≒自律神経)の流れ(≒バランス)を整え、それが、精神的な影響も与えるということは、科学である西洋医学の分野でも証明され、治療の指針となってきています。
 薬や手術や放射線など、部分的な対処療法だけでは、細菌、ウイスル、身体を取り巻く環境の様々な侵害物質から、複雑で、微妙な動的平衡にある私たちの身体の健康な状態を回復し維持するのは、難しいのではないか。それには、もともと気の遠くなるような時間を経て、ここにある身体に備わっている免疫系の作用によってなすしかないのではないかと、私は考えます。
 鍼灸治療が、「効く」のは、そのような身体の免疫作用を賦活化するためだと思います。